男性の不妊手術・・・僕のTESE-MD体験談
こんにちは。大福男です。
この記事を読んでいるということは、あなたは「検査の結果、無精子症かもしれない…」「TESEっていう手術、どうなんだろう」なんて、ネットで調べたり悩んだりしているところかもしれません。
僕もそうでした。
「まさか自分が」と思いながら、でも不安を抱えて専門の病院で検査を受けて——その結果、精子がほぼいない=無精子症と診断されました。
その後、医師に勧められ受けたのが、「TESE-MD手術」。聞き慣れない言葉かもしれませんが、これは簡単に言うと、”精巣から直接精子を探し出すための顕微鏡下手術”のことです。
今回は、そのTESE-MD手術を受けた僕が、手術までの流れ・手術の内容・術後の痛みや正直な感想までを実体験を元に書いていきます。
TESE-MDって何?どう違うの?
TESEは「Testicular Sperm Extraction」というなにやら難しい言葉の略で、要は精巣から精子を直接採取する手術のこと。
「TESE-MD」はその中でも顕微鏡(Microsurgical)を使って行う高度なバージョンです。
なぜ顕微鏡が必要かというと、無精子症の中には「精子はつくられているけど、通り道が詰まっている(閉塞性)」ケースと、「そもそも精子の生産量が極端に少ない(非閉塞性)」ケースがあるから。
TESE-MDは、顕微鏡で精巣内を観察し、精子がいそうな場所を見つけて、ピンポイントで採取するという方法です。
ちなみに僕は生産量が極端に少ない(非閉塞性)でした。事前に受けていた精液検査では活動している精子がいたけど、少なすぎていつ完全に無精子になるかわからない・・・そんな状況もあって、診断してくれた医師から
「精液から採精するよりも、TESEで直接精巣から採精した方が確立が高いし、時間もかからない。できれば最初から手術をして、少しでも確立をあげていきたいです。」と言われました。

手術を即決
「手術」って聞くだけで、やっぱり怖い。
僕は今まで手術というものを受けたことが無い。ましてや男の急所にメスを入れるって、正直それだけで抵抗がありました。
僕の場合、最初の血液検査で「無精子症の可能性が高い」と言われ、専門の不妊治療クリニックを紹介してもらい、そこで改めて検査を受け、医師から「活動している精子の量が著しく少ない」と言われたとき、気持ちがぐらっときました。
「本当に手術してまで、やる意味あるのかな?」
「手術をしても確実に取れるとは限らないし、どうしよう・・・」
そんなネガティブな考えが一瞬で頭を駆け巡ります。
でも、僕は手術を受けることに決めました。
理由は妻も同じ病院で同じように不妊治療を頑張っている事。そしてなにより妻との子どもが欲しいという気持ちが恐怖よりも強かったからです。
手術当日の流れ
手術は日帰りで行いました。
午後2時に病院に入り、16時から手術。1時間ほどで手術は終わり、18頃には病院を出ました。局部麻酔なので、手術中も意識はありましたが痛みは一切なく、なんだったら途中に寝てしまうくらいにはリラックスしてました。本当に「気づいたら終わってた」感覚です。
流れとしては
- 受付をして個室に案内
- 着替えをして担当の看護師さんに手術前の確認をしてもらい、時間まで部屋で待機
- 医師から改めて手術についての説明(ここで少し緊張)
- 手術室へ移動→手術開始→眠る
- 手術終了、車いすに乗せられてまた個室へ移動。
- 30分くらいで歩けるようになり、着替えをして帰宅OK
「あ、こんなもん?」
これが正直な感想です。
術後の痛みは?|予想以上に●●だった!
気になる「術後の痛み」について、正直に書きます。
● 手術直後(麻酔が切れる前):
→ 全然痛くない。むしろ「本当に手術した?」って感じ。
● 手術後1〜2時間後:
→痛みというよりは鈍い重さ?押されてるような感覚が出てくる。
● 1日目の夜〜2日目:
→ 痛いというより苦しい。処方された痛み止めを使っても完全には消えない。動けはするけど、まともに歩くのは難しい。
● 3〜4日目以降:
→ 歩行も問題なくなり、仕事に復帰するが、ずっとズンズン痛い。痛み止めももうなかったです。
総じて、「痛いは痛いけど、耐えられないレベルじゃない」というのが僕の感想でした。
ちなみに痛みの種類は、男性ならほとんどの人が経験するであろう”股間を強打した”時の痛みです。
股間よりは下腹にくる、あの言い表せない痛みと苦しみ・・・あれの軽いバージョンが1番しっくりくる表現かなと思います。
痛みが完全になくなるまでは2週間くらいかかったと思います。
手術のために取った休みは2日間。手術当日と翌日の分ですね。当日は運転ができないので近くのホテルに泊まり、次の日に自分で運転して帰りました。
精子は見つかったのか?
手術の結果、精子は「わずかに5本」見つかりました。
通常1日に作られる精子の量は1億2000万個だそうです。それがたったの5本。顕微授精(ICSI)に使える数ではあるけれど、いわゆる自然妊娠は難しい状態。
でもしっかりと活動している精子がとれました。これで希望はつながったんです。
余談ですが、後日妻も採卵手術を受けて、「わずか1個だけ」卵子が採取できました。
手術を迷っているあなたへ
ここまで読んでくれたあなたへ、最後に伝えたいことがあります。
不妊治療って、男にとっても本当にタフです。
検査に行くのも勇気がいるし、精子がいないって言われるのは正直きつい。プライドが邪魔して中々決心ができないものですよね。
でもそれはパートナーである女性も同じなんです。だからこそ夫婦で取り組むことで、その結果がどうなったとしても手を取り合って暮らしていけるのだと思います。
僕たち夫婦はこの時とれたわずか”5本の精子と1個の卵子”で、待望の子供を授かりました。
本当に元気な男の子で、障害もなく毎日元気に暴れまわっています。
手術を受けるかどうかは、もちろんあなたの自由です。
でも「子どもが欲しい」と思っているなら、ぜひ情報を集めて、選択肢を持ってほしい。
飛び込んでしまえばあとはプロの医療スタッフたちが手厚くサポートしてくれます。大変だったり辛いのはほんの一時だけですから。
僕の話が、少しでもその助けになればうれしいです。
